全国高等学校野球選手権大会。
通称、甲子園。

全国から集まった高校球児たちが、血に汗にじむような努力の成果をはかる夏の風物詩です。
さて、甲子園にちなんで、今日はわずか16kmを走行する、寝台列車「ナインドリーム甲子園号」のお話。

 

以前ご紹介した、583系寝台列車「エキスポドリーム号」と同様の趣旨で運転された列車です。
ナインドリーム甲子園号は、選抜高等学校野球大会(春の甲子園)および全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)期間中の臨時列車として、1991年から1993年のわずか3年間のみ運転された”臨時寝台列車”で、乗車するには、乗車券・寝台券がセットとなった専用の「ナインドリーム甲子園きっぷ」をみどりの窓口・旅行センターで購入する方式となっていました。

 

上述の通り、きっぷの内容は、乗車券・寝台券のみということは種別は「普通列車」、いわば「臨時寝台普通列車」という扱いだったのでしょうね。

 

面白いのは、この車両の走行区間とその走行距離。

寝台列車というからにはそれなりの距離を走るのかと思いきや、新大阪~甲子園口間を8時間半もかけて結ぶのです。その距離わずか16km!

 

もっともカラクリは、夜じゅう低速で走っている、、、というわけではなくて、新大阪発車後、5分後に大阪着。およそ1時間45分ほどドア扱いした後に戸閉、翌朝6時45分に大会最寄り駅である甲子園口駅に到着という行程でした。

6時45分に甲子園口に停車した後も、8時30分までは列車内で休憩することができたそうです。

 

以前お話ししたエキスポドリーム号の運行趣旨と同様、集中する大会への来場者に列車泊してもらうことを目的として運転されたもので、当時、甲子園球場周辺に大きな宿泊施設がなかったことから、その宿泊施設不足に対応するためだった、と申せましょう。

 

ほんの短期間の臨時列車にもかかわらず、本格的に専用の絵入りヘッドマークと側面方向幕が用意され、さらに普通列車の料金と寝台料金で583系に寝泊まりできるという点も、鉄道ファンにしては面白い列車だったのではないでしょうか。

 

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