水島臨海鉄道では去る2017年3月19日(日)、同社線で昭和63年から29年間にわたり活躍したキハ205、元国鉄”キハ20″系気動車が引退しました。

 

車両は、昭和35年製。

 

57年もの半世紀以上の長きにわたって活躍したキハ20系ですが、今回の引退に伴い現役で残るキハ20系は”ひたちなか海浜鉄道”の1両のみです。

 

キハ20系気動車 概説

1957年、日本国有鉄道が開発した一般形気動車キハ20系列。

 

1966年までに1,100両以上の製造されたマンモス形式です。

 

まさしく、北は北海道から南は九州鹿児島まで、路線を保有していた国鉄が効率的な標準化のもとに大量製造した車両として象徴される”一形式”と申せましょう。

 

キハ20系列の先代にあたるキハ10系は、開発当時において実用可能なディーゼルエンジンが非力であったことから、電車や客車車両と比較して車体断面が狭く、また軽量化するために簡素な内装、台車を履いていたため乗り心地は良いものではなく、さらにパワーも劣る車両でさまざまの課題を残した車両でした。

 

このような状況の中、1955年には大型車体を維持したまま軽量かつ堅牢な車体の開発に成功、スイス国鉄の開発した準モノコックボデーを採用したナハ10客車が誕生しました。

 

これをもとに大型車体を取り入れた気動車の開発が可能となり、まず一番初めに製造されたのがキハ55系準急用気動車です。

 

このあと、キハ55系気動車が一定の成果を残したことから、一般用気動車へもこれら設計思想を取り入れることとなり、キハ20系が登場することとなるのです。

 

 

日本全国に配置された、気動車の決定版

キハ20系列は、全国的に配置された車両であるため暖地向け・寒地向けのほか、北海道地域向けの極寒地仕様、勾配線区向けの2エンジン車キハ52、郵便荷物輸送用のキハユニら幅広くバリエーションが存在します。

 

運行線区の輸送密度に鑑み、片運転台仕様で2連以上の組成を想定しているキハ25、単行運転を可能とする両運転台仕様のキハ20が存在するのも特徴です。

 

特に単行運転を可能とするキハ20においては、国鉄・JR各社での活躍後”第2の人生”として地方私鉄での活躍するにも使い勝手がよく、数を減らしつつも今日まで現役で活躍できているのがその証左でしょう。

 

現役ではひたちなか海浜鉄道の1両

先に述べたように、水島臨海鉄道のキハ20系引退に伴い、残る最後の1両は、ひたちなか海浜鉄道のキハ20・1両です。

 

最盛期1,100両以上の同僚とともに活躍した大形式も、いよいよ最後の1両。

 

経年や老朽化に伴う呼称や不具合も多々あろうものですが、末永く活躍を期待したい車両の一つです。

 

 

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