JR東日本発足後初となる、新形式車両107系。

 

晴れやかな、新たな民間鉄道としての出発の裏に、国鉄型車両165系急行電車の主要機器を流用した”107系”は登場しました。

 

1987年4月1日、日本国有鉄道は北海道から九州までを6つの旅客会社と、貨物会社1社のJR7社に分割。発足から、今年の4月1日で30周年を迎えます。

 

この107系電車も完全引退のときを目前にしながら、29周年を迎えるに差し掛かったところです。

 

JR東日本107系、登場から29周年を迎える

JR発足から間もなくの翌1988年、107系電車は登場します。

 

JR東日本発足後初めての自社製造車両として、大井工場(現・東京総合車両センター)/大宮工場(現・大宮総合車両センター)/大船工場(現・鎌倉車両センター)/新津車両所(現・(株)総合車両製作所)の4工場で製造されました。

 

本来ならば、車両の製造は鉄道車両メーカーで行われるものですが、107系にあっては自社工場にて製造された車両で、これは、後のJR東日本車両の大半の製造元である総合車両製作所(自社製造所)で製造されることとなる先例と言えます。

 

107系登場の経緯

1980年代後半には、両毛線・日光線で165系が急行用途の廃止に伴って普通列車運用に転用され活躍していました。

 

しかしながら、これら車両は当時において、登場から20年以上を経年しており、老朽化と陳腐化に直面していました。

 

さらに急行型電車故にデッキ付きの片開き2ドアとボックスシートによる車体構造は、ラッシュ時や混雑時に不適当であったこと、最低編成両数が3両であったことなどから輸送力調整ができず、運用上の不都合と非効率な状況が続いていました。

 

JR東日本では、上述のような状況を解消すべく、2両単位での組成や通勤通学需要にも十分に応えうるような、路線の環境に合わせた柔軟な車両の開発へと目を向けることになります。

 

107系は165系の主要機器リサイクル車両

165系急行型電車を置き換えるべく登場した107系は、車籍上も履歴上も165系電車との繋がりはありませんが、いわば165系の主要機器を流用した新製車両です。

 

通勤用車両として両開き2ドアにロングシートを装備した105系ベースのニューフェイスには、台車や主電動機、ブレーキ装置、冷房装置などは165系の廃車発生品を用いており、製造コスト削減に貢献しました。

 

普通列車用車両のため歯車比は変更されていますが、107系の駆動音は、かつての165系をほうふつとするMT54モーターを搭載しておりその心地よい音色に懐かしさを感じます。

 

先ほど、”107系は登場から29年を経た”、とご紹介しましたが、車体以外のその他の主要機器は50年程度を経過していることになるのです。

 

元々は、国鉄の古い車両からのリサイクルですから、115系とともに置き換えが進んでいるのは致し方のないところ、とは言いつつ、国鉄型車両の211系電車に置き換えられることになろうとは何とも皮肉です。

 

 

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