JRグループで、唯一の現役であるJR東日本・秋田車両センター所属の583系6両1編成(N1・N2編成)は現在、定期運用を持たず臨時運用・団体運用を中心に活躍しています。

 

昨年12月に運転された「わくわくドリーム」号での活躍を最後に、以降音沙汰のない同編成ですが、先般発表された団体専用臨時列車「早春の河津桜 伊豆の味覚と温泉」ではE653系が充当されるとあって話題と憶測を呼んでいます。

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これまでは583系での運転でしたが・・・

と言いますのも、団体専用臨時列車「早春の河津桜 伊豆の味覚と温泉」には、それまで毎年583系電車が使用されていました。それは、旅行行程中に列車内での車中泊が含まれているからで、寝台を有する583系の充当は最適だったからと言えます。

 

にも関わらずE653系電車を充当するのには、やはり583系自体の老朽化が進行しているからでしょう。

 

残るは1編成!!国鉄特急型電車583系大活躍!【夏の臨時列車】」の過去記事でもお伝えしたように、昨年中は583系が引っ張りだこのうちに大活躍したこととは打って変わり、雲行きが怪しくなっているのは事実です。

 

 

581系・583系電車概略

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動力分散式の昼夜兼用特急型電車として、直流・交流60Hz対応の581系が1967年。直流・交流50/60Hz対応の583系が1968年に登場。

 

世界的に見ても本系列の最大の特徴である”本格的な寝台電車”の出現は、581系・583系が世界初となります。

 

581・583系の登場は、当時の日本の鉄道が抱える諸問題に対して、その打開策を得るべく開発されます。

 

1960年代になると、昼行列車においては加速・減速に優れ、上り勾配でも高速化の期待できる電車および気動車による”動力分散方式”を広く採用するようになりました。

 

これは、日本の抱える鉄道事情によるものが大きいのですが、島国である我が国は地形が複雑で、こう配・曲線の多用されている路線を走行するには、動力を集中式にするよりもそれぞれの車両の床下に機器類を”分散”させることでより大きな動力が得られるから、だったのです。

 

その一方で、夜行列車については夜間走行時の静粛性が求められる点から動力の分散方式は採用されず、在来方式の機関車による客車けん引、”動力集中方式”が未だに主流でした。

 

しかし、これが夜行列車を総じて、高速化の妨げ・車両運用の非効率に繋がっていたわけです。

 

また、当時好景気による輸送需要の拡大に対して、優等列車の増発は容量のひっ迫する車両基地のキャパシティを越えるようになり、いくつかの機能や運用用途を集約した高効率な車両の開発へと目が向けられました。

 

これら、「動力の分散化」による高速化の実現で長距離列車の増発、「昼夜兼用」車輌とすることで、昼も夜も運行可能な車両とし、待機時間・待機場所の削減を実現するための要素を兼ね備えて登場したのでした。

 

昼間は座席、夜間は寝台へと変化できる仕組みは、車両運用の効率化に大きく貢献しました。

 

 

今後の去就に注目

もちろん、今回の秋田支社団臨に583系が充当されないからとはいえ、直ちに引退・廃車への道をたどるかは定かではありません。

 

ただ、583系N1/N2編成が45年を経年、老朽化していることを鑑みたら、引退の可能性もあるという部分では、国鉄型車両の中でも、まさしく”名車”である同車が過去のものとなってしまうのは寂しいものです。

 

いずれにしても、今後の去就に注目です。

 

 

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