関門の主・EF81 300 「銀釜」、最後の303号機活躍中
EF81形300番台。無塗装ステンレスで銀色に輝く車体は通称「銀釜」と呼ばれ、登場以来関門専用機として4機が活躍してきました。
任を任されたのは、海水の滴下する高湿潤の海底トンネル区間です。まさに”鉄のかたまり”である鉄道車両にとって、常に積極的な腐食にさらされるトンネル内は非常に過酷な環境です。
剛性が高いため加工が難しく、高価になるステンレスでわざわざ製造したのは、「海水による腐食を防ぐため」だったのです。
従前、元祖”銀釜”であるEF30形電気機関車の増備車として配備されたEF81は、登場以来40年を超える老練です。
関門専用として配備されたため、走行距離は同年代の車両と比べて比較的少ないものの、ステンレス以外の部品は鋼製のため劣化・腐食が進行。既に兄弟の301・302・304号機は退役、現在現役で残る車両はいよいよ303号機1両のみとなりました。
門司地区を中心に活躍してきた同機も、後継車であるEH500電気機関車の台頭で、関門トンネルの定期運用を失い”風前の灯”か、と思われましたが今年5月7日に全般検査を通過し無事出場。
貨物運用に復帰しました。
1978年、301・302号機 本州・内郷機関区への転属(その際鋼製車と同色に塗装)と門司復帰、2011年の東日本大震災に伴う日本海縦貫線の輸送力増強のため303・304号機貸し出しは、関門用として登場した車両にもかかわらず、図らずも広い地域で活躍したことになります。
交直両用機の決定版として、長きにわたり164両が製造されたEF81の中でも、見た目や用途では少数派の300番台。一方で、無塗装ステンレスの車体は無機質ながらもスタイリッシュで、恰好が良く、短区間でもブルトレ牽引を担うなどたびたび話題に上る車両でした。
最後の一両となってしまった303号機ですが、少しでも長い活躍を期待しています。
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コメント
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南延岡駅にて発見
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蒸気機関車が「カマ」と呼ばれた複数の理由の一つに、
燃料(炭や薪)を「カマド」の穴にくべて火をおこし、
その熱でお湯を沸かす、という機関士の作業が、
「釜」でご飯を炊くのに似ていたから、というものがある。蒸気機関車を意味する「カマ」は、もとより俗称でもあり、
その正式な漢字表記などが定められていたわけではなく、
おもに片仮名で記され、漢字は様々な当て字が用いられてきた。「罐」は、ボイラーをも意味するが、
必ずしも蒸気機関車のボイラーとは限らず、
燃焼によって熱や水蒸気を生成する機関一般を指す語である。
また、「罐」は「缶」の旧字体でもあるため、
「缶=金属の容器」と誤解されることなく
確実に「カマ」を言い表したい場合、
その漢字表記は「釜」で代用されることが多い。以上を考慮すれば、電気・ディーゼル機関車のことを
蒸気機関車に由来する俗称「カマ」の語で
いわば親しみを込めて呼ぶにあたり、
その漢字表記を「釜」とすることに、
何らの誤りも認められない。EF81電気機関車を「銀釜」と称し、
この漢字で記すことを、間違いとは言えない。
漢字が違ってます。
釜 は ご飯を炊くカマ
機関車をカマと呼ぶのは
蒸気機関車のボイラーからで
ボイラーのカマの漢字は 罐 です。