老朽化した153系急行形電車の置き換えを目的として登場した、117系直流近郊型電車。

 

1979年から国鉄の分割民営化直前となる1986年にかけて合計216両の製造された形式です。

 

置き換えとする車両が、従来型とはいえ急行形電車であったことしきり、当初投入された京阪神地区においては、競合する阪急電鉄や京阪電鉄の特急電車がいずれも転換クロスシートを採用しており、それまでのボックスシートタイプである153系では見劣りしてしまうことから、同地域において、並行する私鉄列車に対抗できる車両として投入されました。

 

別料金不要の新快速列車向けであり、専ら”近郊形車両”ですが、転換クロスシートの採用、高品質な客室設備はそれまでの国鉄型車両のイメージを刷新するものでした。

 

国鉄としては従来まで、用途・種別において同一規格・同一仕様という「標準化」を進めてきましたが、この117系電車導入に際しては、投入地域の輸送事情等々に合わせた意匠・設計を持つ、地域性の強い車両であったことがうかがえます。

 

 

 

 

 

車体色も伝統の関西急電色をイメージ

国鉄における近郊形電車はそれまで、同じ電気方式であればルールにおける同一の塗装を施す事としていました。

 

この場合、直流近郊型電車であれば、113系・115系でおなじみの”オレンジと緑の湘南色”。

 

117系も本来は、湘南色を纏う可能性がありましたが、先述の通り、国鉄における”意欲作”でもある同系列は、独自のクリームとマルーンの2色塗装となりました。

 

このカラーリングは、大阪鉄道管理局が伝統とする塗装パターンであり、内装のみならず、外装でも差をつけた格好となりました。

 

 

 

もし、117系が湘南色を纏っていたら?

中央に鼻筋の通った、流線形で非貫通、高運転台スタイルの117系は、近郊型電車とは思えない優等列車然としたいで立ちで、湘南電車と呼ばれた80系にも通ずる顔を持ちます。

 

今日は、関西急電伝統のカラーリングで登場した117系が、もし、伝統の湘南色をまとっていたら?という推測の元、イラストを起こしてみました。

 

前面の塗り分けパターンは、伝統の金太郎塗りとし、今回おでこの緑は省略しました。(ちょっと、野暮っちくなったので・・・)

 

案外、80系のそれにもお似合いだったように、非貫通の流線形に湘南色は良く似合うようです。

 

なんだか、急行型電車のようないで立ちで、これもまたアリ。と思わせます。

 

西の117、東の185、とよく比べられる両車ですが、185系は特別企画として湘南色をまとったように、117系も湘南色を纏うと注目の的かもしれません。

 

 

 

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