2018年春に控える大型観光キャンペーン「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーン(以下、栃木DC)に向け、JR東日本大宮支社は、栃木DC1年前のプレキャンペーンとして、2017年4月より「本物の出会い 栃木」春の観光キャンペーン(プレDC)を開催中です。

 

これに伴い、JR東日本は真岡鐵道と東武鉄道との協力で、キャンペーン特別列車を2本運転することとなりました。

 

特別列車による春の栃木への旅、堪能してみませんか。

 

(JR東日本大宮支社:http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170420_o04.pdf

 

 

快速「DL&SLもおか」号運転概要

JR水戸線 小山~下館まで真岡鐵道所属の50系客車をディーゼル機関車が牽引、真岡鐵道線 下館~茂木間をSLが牽引する直通列車として運転します。

 

今回は、真岡鐵道の協力により、本来真岡線内のみでしか走行しない50系客車(元国鉄型客車)がJR水戸線にも入線するというプレミアムな特別列車です。

 

【1】運転日

2017年5月27日(土)

【2】区間

小山(8:32発)⇒茂木(12:06着)

 

【3】停車駅

小山・下館・折本・久下田・寺内・真岡・西田井・益子・七井・多田羅・位塙・茂木

 

【4】車両

小山~下館間:50系客車3両をDLが牽引・下館~茂木間;SL牽引で運行

 

【5】出発式

小山駅において当該列車の出発式を実施予定。

 

【6】乗車にあたって

・乗車区間の有効な乗車券のほか、座席指定券として、おとな1,020円・こども510円が別途必要です。

・座席指定券は真岡鐵道線内まで直通する区間の指定席券のみ発売します。

・水戸線内下館駅までの発売はありません。

・座席指定券は、乗車日の1か月前から発売します。(JR東日本のみどりの窓口・びゅうプラザおよび主な旅行会社で発売)

・真岡鐵道線内のみご乗車の場合は、乗車券のほかに、Sl整理券(自由席)おとな500円・こども250円が必要です。

・SL整理券(自由席兼)は乗車日の1か月前から発売いたします。(下館駅真岡鐵道ホームで発売)

 

 

※冒頭で同時にご案内した東武鉄道キャンぺーン特別列車についての詳細は、下記をご参照ください。

(JR東日本大宮支社:http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170420_o04.pdf

 

 

 

懐かしの50系客車、再び。

1994年、真岡鐵道による「SLもおか」運転開始に伴い、JR東日本からオハ50形2両とオハフ50形1両の合計3両が譲渡された50系客車。

 

登場から40年を経過する車両でありつつも、真岡鐵道により大切に使用され、外装こそオリジナル塗装とは異なっていますが、ほぼ原形をとどめつつ現役を務めています。

 

50系客車自体は、用途を変えたりイベント用車両としてわずかな車両が残っていますが、ザ・”50系”と呼べる真岡鐵道所属の客車がJR線上で運行、しかもディーゼル機関車による牽引とは見ものです。

 

SLでの運行も注目ですが、DLによるJR線牽引にも大きな期待が集まります。

 

 

 

 

 

50系客車について

 

 

 

50系客車登場以前

主に普通列車として、通勤通学輸送に応えるべく日本国有鉄道が1977年に登場させた車両、これが50系客車です。

 

1970年代前半、地方都市圏における交流電化路線や非電化幹線にあっては、普通列車の旅客輸送に対し経年した客車を用いており、それら車両は、老朽化、客室設備の陳腐化が進み、まもなく取り換えの時期を迎えようとしていました。

 

この際国鉄においては、この先、代替となる車両を気動車や電車へと置き換えてゆく”動力近代化計画”に基づき取り換える方針を採っており、普通旅客列車用に客車車両を製造することについては消極的だったため、その方針の過渡期として”お古”が充てられていた、と言えます。

 

ところが、これら旧式の客車はデッキを有するがために普通列車としては頻繁に発生する乗降時の導線に支障を来したうえ、乗降扉が自動ではなく、乗客が自由に開け閉めできてしまうなど、遅延や事故の発生する要因を作ってしまうという、運行・保安上においても問題が起こるようになってきました。

 

 

 

 

この時代になぜ客車が作られたの?

これらに伴い、国鉄では地方都市圏における客車普通列車の輸送改善を行うこととなります。

 

国鉄の動力近代化計画に基づくならば、この際一挙に気動車・電車の導入を進めるところでしたが、少なくとも1970年代は国鉄の赤字幅が加速度的に増加しつつあった最中で、財政的に”余裕”はない状況。

 

1両あたりに製造コストのかかる電車や気動車をそうそう簡単に投入できる状態ではありませんでした。

 

さらに、当時の状況として、労働組合による人員が余剰となる気動車や電車化への反発や、貨物輸送の減少による機関車の余剰なども複合的要因となり、動力装置を持たないことによる1両あたりのコストが低く抑えることのできる”客車”への導入へと舵を切ったのです。

 

加速性能・機動性に軍配の上がる電車・気動車へと主軸が移りつつあった時代へ逆行するかのように現れた車両、それが50系客車だった、と言えるのです。

 

 

 

悲運な車両、50系

このような状況下に誕生した車両であったために、活躍開始からほどなくして電車や気動車車両への交代を開始、運行開始からわずか10年前後でスクラップとなった車両も多くいました。

 

非常に短い期間での活躍となり、もっとも華やかに活躍したこともさほどなかった50系は、まさに”悲運の車両”。

 

ただ、言い換えてみれば、国鉄を取り巻く環境の大変化にあって、その改革期に誕生、地方都市圏の輸送改善に貢献したという意味においては”名車”という名誉を与えるに不足ない車両であると、こう言えると思います。

 

 

 

 

 

 

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