【連載】Nゲージ本格小型レイアウトに挑戦!《vol.2》(寄稿:九州大学鉄道研究同好会会員 けちゃっぷ)
皆さんこんにちは!けちゃっぷです。
今回は、レイアウトの基盤制作および線路敷設について写真付きで紹介していきます!
基盤制作
レイアウトの基盤作りは、レイアウト制作において最初の作業にして、一番重要な作業です。なぜなら、基盤はレイアウトの見栄えや走行性能に直接影響するからです。
基盤ががたがただったり、斜めになっていたりすると、基盤上にいくら上手く情景を作ることが出来たとしても、レイアウトとしての完成度はがた落ちしてしまいます。
一般的にNゲージレイアウトの基盤としてよく使われるのは、四隅に角材を取り付けたベニヤ板です。
これを自作する方もおられますが、今回は市販のレイアウトボードを購入しました。
これはそのまま使えるように組み立てた状態で売られているので、僕のような初心者でも、安心してレイアウト制作に取り掛かることが出来ます。
市販品ゆえに限られたサイズのものしかありませんが、3,000円程度で安定した基盤が手に入るという点においてこれに勝るものはないと思います。
今回は川、海と地面より一段低い地形を作る予定だったので、地表面を嵩上げするために50mm厚のスタイロフォーム(目の詰まった固い発泡スチロール)をレイアウトボードの上に接着しました。
その後、川・海となる部分をカッターナイフで切り欠き、基盤は完成です。
*実はこの時、スタイロフォームを全面接着した後で川・海となる部分を切り取ったので、剝がすのに非常に苦労しました。このような段取りの悪いことはなされないようお気を付けください。
線路敷設
今回のレイアウトでは、『リアリティーの追求』という観点から(前回の記事のコンセプトの③)、カトー製のフレキシブル線路を使用することにしました。
フレキシブル線路というのは、文字通り自由自在に曲げて好みの半径のカーブを作ることが出来る、優れた線路です。
敷設後、バラストを散布すると実物の線路同様の非常にリアルな仕上がりとなります。
ただし、フレキシブル線路はカトー製ユニトラックやトミックス製ファイントラックのような道床付線路のように組み立てて、置けば完成、というわけにはいきません。
小釘または接着剤でしっかりと固定しないと曲げた状態を維持できませんし、曲線部では内側のレールが余ってしまうので、きれいに揃うように切断する必要もあります。
このように手間がかかることもあり、フレキシブル線路を使ったレイアウトの作例はあまり見かけません。だからこそやってみる価値があると思い、挑戦してみました。
敷設の流れを順に説明します。
①ケガキ
線路の位置を、プラン図通り鉛筆などで直接基盤に書き込みます。
この時、厚紙に数箇所穴をあけた簡易コンパスを作ると、きれいに曲線が描けますよ!
②コルク道床設置
今回はポイント線路と車止め線路はカトー製ユニトラックを使用するので、高さ調整のためにコルク道床を線路の位置に取り付けました。
③配線用穴あけ
フィーダー(線路に電気を供給するもの)、ポイント、自動信号機の配線を基盤の下に通すために、予め適当な大きさの穴をあけました。
こうすることで、配線がごちゃごちゃせず、すっきりした見た目になります。
④線路取り付け
上記の下準備が終わったら、いよいよ線路取り付けです。
今回は小釘とゴム系接着剤を併用して使いました。
基盤に発泡スチロールを使っているため、本来は接着剤で取り付けるのがセオリーなのですが、保険として小釘も用いることにしました。
最初にポイント線路を小釘と接着剤で固定し、その後フレキシブル線路の敷設という流れで進めました(ずれが生じる危険性を少しでも回避するため)。
フレキシブル線路は使う長さに切った後、曲げ癖をつけて、線路の裏面に接着剤を付けた後、基盤に押し付けて圧着、その後ジョイナー(カトー製ユニジョイナーを使いました)で線路同士を接続し、小釘を押し込んで(枕木部分に釘用の穴があいています)…という作業を繰り返せば、取り付け完了です。
とここまで簡単に書きましたが、実際に一人でやるのは大変でした…複数で作業したほうがやりやすいかと思います。
焦って作業すると、必ずと言っていいほど失敗し、その修復にかえって時間がかかってしまいますので、慌てずゆっくり作業を進めたほうが良いです。
これはレイアウト制作全体にも言えることですね。
*なお、今回は走行性能の確保と工作の簡便化を優先し、線路の勾配はつけませんでした。
小型レイアウトの場合、あまりに急な勾配は不自然ですし、工作の難易度もぐっと上がってしまうおそれがあります。
終わりに
今回の記事はいかがだったでしょうか?
現在レイアウトを制作中の方、これからレイアウト作り始めようと考えていらっしゃる方に参考として頂き、また今まで鉄道模型に縁のなかった方にも興味を持っていただけるような記事を書いていく
所存です。
次回は、いよいよ地形作りに入っていきたいと思います。
実は、今回紹介できませんでしたが、線路敷設の際に線路に施したある工夫があるんです。(ヒントは上の写真)これは次回紹介したいと思います。
ではまたお会いしましょう!
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