北は北海道から南は九州鹿児島まで。日本全国に広がる旧日本国有鉄道を、7つの会社へ分社、民営化させて誕生したのが「JR(ジェイアール)」です。

時の総理大臣、中曽根康弘内閣において実施された国鉄分割民営化は、民営化による自由かつ効率的な経営で国鉄が抱えていた37兆円にも上る巨額の債務を解消し、お客様に寄り添った地域密着型のサービスを提供、ひいては斜陽産業と言われた鉄道の復権を目指し政治改革を推進していきました。

 

国鉄が民営化された1987年から数えること15年、全株式を保有していた日本国有鉄道清算事業団を始まりとする鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、2002年すべての株式の売却を完了したことからJR東日本が初めて完全民営化。それに続いて2004年にはJR西日本、2006年にはJR東海と、本州3社は完全民営化を果たしています。

 

さて、本日の話題は、離島3社のうち初めて上場が決定したJR九州のお話。

 

いわゆる「3島会社」と呼ばれるJR北海道、JR四国、JR九州と、JR全会社を営業区域とするJR貨物は、採算性の厳しい路線を多く保有することから経営基盤が脆弱であり、経営努力だけで存続し続けることは困難であると予想されていました。

前提としてこれら4社は「特殊会社」としての取り扱いがなされ、JR会社法により、固定資産税の減免・経営安定基金により赤字を補てんする状況でした。

 

そういった中、JR九州では創業以来、主力の鉄道事業のみならず、不動産業や小売業などにも力を入れ、時に「鉄道事業を持つ不動産会社」とも揶揄されるほど経営の多角化に積極的に取り組んできました。

 

また、本家の鉄道事業においては、魅力的なデザインや内装、サービスを盛り込んだ観光的要素の強い列車の開発・運行で、地方の閑散路線を「観光路線」へと変身させていきます。

特急列車のみならず、通勤用の車両にまでこだわりの見られるJR九州の個性的な車両たちには、単なる移動手段としての一つではなく、JR九州の車両に乗って移動したい。という選択肢を提示してくれるのです。

 

ただ、目下自社線内には不採算路線が多く、売上高の内鉄道輸送の収入はおよそ4割。もちろんこれまで、積極的に・意欲的に経営改善へと取り組んできました。

最近では、非電化路線と電化路線を行き来できる車両としてコスト削減を図った蓄電池車両819系の開発など推進力はとどまるところを知りません。

 

いよいよ10月25日、東証へLINEに次ぐ今年2番目となる大型上場を迎えるJR九州。

これまでどおり地域に密着した経営、不採算路線の維持、サービスの向上等々、JR九州野球部の応援歌(鉄路轟轟)にもあるように、”躍進の”JR九州に期待「大」です!

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