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7月は489系ボンネット、8月は581系特別初公開(京都鉄道博物館)
京都鉄道博物館では、2017年7月および8月の特別公開車両を広報しています。
7月度は、特急型電車489系の先頭車クハ489形1号車を、8月度は、581系の先頭車クハネ581形35号車を展示・特別公開。
いずれも同館に展示されて以降、初めての車内公開となります。
国鉄時代を駆け抜けた歴代の名車を間近に感じながら、国鉄型車両の魅力に触れてみませんか。
クハ489形公開日程
開催日
2017年7月1日(土)・2日(日)・8日(土)・9日(日)・15日(土)・16日(土)・17日(月・祝)・22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)
時間
10時~12時まで/13時30分~16時30分まで
場所
本館1F
クハネ581形35号車 公開日程
開催日
2017年8月5日(土)・6日(日)・11日(金・祝)~20日(日)までの毎日、26日(土)・27日(日)
時間
10時~12時まで/13時30分~16時30分まで
場所
本館1F
(詳細は、JR西日本ニュースリリースへ⇒こちら)
見た目は485系、碓氷峠協調運転用の489系
碓氷峠。
信越本線 横川~軽井沢間に存在する碓氷峠は、最大66.7‰という急勾配区間を擁し、鉄道車両にとってこの区間の登坂、降坂は非常に険しいものでした。
それまで、この区間の通過車両はEF63形電気機関車による推進・牽引による運転が必須なため、車両台枠の強化、連結器の強化を必要としさらに、保安上の都合等もあり、最大8両編成までしか通過することができませんでした。
そのままでは編成両数を増やすことができず、輸送力増強もままならぬことから、機関車の負担を減らしつつ、牽引される電車の動力も用いながら登坂・降坂するために、協調運転装置を搭載した車両を開発することとなりました。
それが1967年に登場した、165系を基本とした急行型電車169系電車です。
その後、それまで客車列車で運転されていた急行「白山」の特急格上げに伴い、同列車への充当用として485系電車に協調運転装置を搭載した車両として登場したのが、489系です。
489系は、元となった485系の先頭形状がボンネット・貫通型電気釜・非貫通電気釜と移り変わった過渡期に重複して製造されたため、生産両数が圧倒的に少数にも関わらず、3タイプの先頭形状を有したことも特徴です。
1997年の北陸新幹線長野開業では、信越本線横川~軽井沢間の廃止で、協調運転対応車両としての必要性を失ったことや、老朽化もすすみ、廃車・淘汰が進行。
2015年には廃系列となりました。
なお、京都鉄道博物館に展示されているクハ489-1は、489系列として一番最後に残った車両です。
世界初の寝台電車581・583系
動力分散式の昼夜兼用特急型電車として、直流・交流60Hz対応の581系が1967年。直流・交流50/60Hz対応の583系が1968年に登場。
世界的に見ても本系列の最大の特徴である”本格的な寝台電車”の出現は、581系・583系が世界初となります。
581・583系の登場は、当時の日本の鉄道が抱える諸問題に対して、その打開策を得るべく開発されます。
1960年代になると、昼行列車においては加速・減速に優れ、上り勾配でも高速化の期待できる電車および気動車による”動力分散方式”を広く採用するようになりました。
これは、日本の抱える鉄道事情によるものが大きいのですが、島国である我が国は地形が複雑で、こう配・曲線の多用されている路線を走行するには、動力を集中式にするよりもそれぞれの車両の床下に機器類を”分散”させることでより大きな動力が得られるから、だったのです。
その一方で、夜行列車については夜間走行時の静粛性が求められる点から動力の分散方式は採用されず、在来方式の機関車による客車けん引、”動力集中方式”が未だに主流でした。
しかし、これが夜行列車を総じて、高速化の妨げ・車両運用の非効率に繋がっていたわけです。
また、当時好景気による輸送需要の拡大に対して、優等列車の増発は容量のひっ迫する車両基地のキャパシティを越えるようになり、いくつかの機能や運用用途を集約した高効率な車両の開発へと目が向けられました。
これら、「動力の分散化」による高速化の実現で長距離列車の増発、「昼夜兼用」車輌とすることで、昼も夜も運行可能な車両とし、待機時間・待機場所の削減を実現するための要素を兼ね備えて登場したのでした。
昼間は座席、夜間は寝台へと変化できる仕組みは、車両運用の効率化に大きく貢献しました。
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