JR最後の”本物の”朱色とクリーム、国鉄急行色を纏う現役国鉄形気動車、キハ66
1974年、かつての日本国有鉄道が福岡県筑豊地区の輸送改善を目的に導入したのがキハ66系気動車です。
1975年のダイヤ改正・山陽新幹線博多開業に伴い、筑豊・北九州地区からの新幹線連絡輸送に使用する目的で開発されました。
一般利用を想定し、乗降がスムーズな両開き2ドアとしつつも、座席間隔910mmのゆとりある転換クロスシート・冷房を装備。
近郊型として区分されたとはいえ、従来の急行型車両であるキハ58系をしのぐ接客設備と動力性能を備えていました。
実際に、登場から数年間は急行列車にも使用され、近郊型ゆえに”遜色急行”と揶揄される節もありましたが、登場時こそ異なりましたが、後に国鉄の正統な急行色をまとったことは、急行形車両として認識されるに堪えうる性能と品質を有していたことの証左、と申せましょう。
JRでは最後の”正統派国鉄急行色”を纏うキハ66
今年2017年、JR各社は民営化発足30周年を迎えるに至りました。
誕生30周年を記念するイベントや催しが様々に執り行われていますが、その反面、”国鉄型車両の終焉”も現実味を帯びてきています。
これに伴い、JR各社では、国鉄型車両の国鉄色復活や、JR世代の車両でも特別塗装として国鉄色を再現するなど、今日でも根強い支持を誇る”国鉄”当時の雰囲気を、リバイバルとして催し好評を博していますが、年々消えゆく車両を前にして、例えば急行型車両の塗装を復刻!とは言え、肝心の急行型車両が壊滅状態ですから、”完全復刻”にはならないというのが現実です。
現在、国鉄急行色をリバイバルカラーとして塗装している車両は本記事で取り上げたキハ66系を除いてキハ40系及びキハ100系ですが、これら車両はいずれも一般型車両に分類されるもので、国鉄時代において、国鉄急行色を”規定”としてまとったことはありませんし、キハ100系についてはJR世代の車両です。
いわば、国鉄急行色”風”ということです。
そのような時代の移ろいにあって、国鉄時代に実際に”国鉄急行色”を規定として纏い、活躍、JRとなって新塗装を纏ったものの、一部編成がリバイバル塗装として国鉄急行色へと戻り、現在でも運用に就いている車両。それがキハ66系なのです。
国鉄時代にもその塗装を纏い、現在JR線上で現役を保持する形式は、とうとうこの車両のみ。
最後の正統な国鉄急行色、末永く活躍してほしいものです。
、、、と、消えゆく過去の時代のことを今更ながらに、”正統派での完全復刻”云々、、、ということはナンセンスに延々と述べさせて頂きましたが、貴重なキハ66系のオリジナルな国鉄急行色は、今になっては貴重な塗装、ということでお話しさせて頂きました。
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