JR東日本では、1990年代、首都圏を走行する近郊型・急行型電車に対し、前面に防護用ステンレス板を取り付けた「前面強化工事」を施工しました。

 

 

この前面強化工事の施工がなされたのは、1992年9月14日、JR東日本成田線 久住~滑川間の大菅踏切で発生した自動車と列車による事故が発端です。

 

 

事故の概要は、遮断機の下りている踏切内に侵入していた過積載の大型ダンプカーの側面に、113系普通列車が衝突。先頭車が脱線・大破し、列車の運転士が死亡、乗客65名が負傷するという痛ましいものでした。

 

 

事故発生の時点では運転士は生存していましたが、もともとのスペースが狭く、さらに大きくつぶれ変形した運転室からの救出は困難で、結局搬送の途中で亡くなってしまったのです。

 

 

この事故を受け、JR東日本では、既存の113系等近郊型および急行型車両に対して、鉄板やステンレス板といった鋼板を車両前面に取り付け、衝突時の強度を上げる工事を行いました。

 

 

今日、掲載したイラストが、その前面強化対策工事施工後の113系です。

 

 

事故後、急な工事となったためか、対策した鉄板には塗装されず、4枚に増強されたアンチクライマーや手すりと相まって、武骨な印象になりました。これらの改造を施された車両は、鉄道ファンの間で”鉄仮面”と呼ばれるようになりました。

 

 

後に全般検査等でこれら無塗装の部分も、通常の塗装色に塗られていますので見た目としては、一時的な存在でした。

 

 

いずれにせよ、この武骨な”無塗装鉄仮面”は、乗客はもちろん、乗務員の安全を考え、早急に対策を行ったJR東日本の”努力の証”と賞することができると思います。

 

 

JR東日本では、これら事故の教訓をもとに、その後の後継車両に、運転室の拡大や運転席後方非常用出口の設置、クラッシャブルゾーンと呼ばれる衝撃吸収構造の開発・導入などを実施。常に安全な車両・システムの開発に取り組んでいます。

 

90年代に突如として現れた、「鉄仮面」。

 

このような車両に現れているように、日々、鉄道は安心、安全、信頼を厚くするための努力を惜しみません。こういった努力が今日の安心・安全な鉄道輸送につながっていることに感謝しなければなりませんね。

  1. 佐藤洋子 より:

    すっご!!!

  2. 右藤陰郎 より:

    洋子さんも!!昨日の夜スゴかった!!

  3. axx より:

    おち◎ん〇〇!¥?!!‼?????

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