955形新幹線電車。通称、「300X」。JR東海が1992年に登場させた300系新幹線に続けて、次世代の技術を検証・実験するため、3年後の1995年に制作した高速試験用電車です。

 

955形という形式名を持ちながら、「300X」として呼ばれています。

 

300系新幹線試作車編成が落成して間もないころから、その次となる新幹線車両に向けた技術開発は始まっていました。

 

よりよい鉄道輸送サービスを提供するためには、常に新しい技術を開発し続ける必要があるという考え方から、営業運転を想定せず、試験車両として製造。

先頭車の形状も、それぞれが異なるフェイスを持つなど、とても興味深いディテールを持っていました。

 

性能面では、曲線やこう配の続く東海道新幹線区間での高速走行試験を行うため、加速力を増加させています。

 

1996年7月には、東海道新幹線米原-京都間において、国内最高記録の443km/hを記録。

 

もっとも、R5000とR3000の曲線に挟まれた区間内での最高速度であり、実際技術的な”速度の限界”としての記録ではなかった、と言われています。

 

その後、300Xで得られた新技術は、後代に当たる700系新幹線の開発や300系改良に実用化され、2002年1月に運用を終了。翌月2月には廃車されました。

 

【JR東海 リニア・鉄道館 秋の特別体験イベント概要】

リニア・鉄道館では「鉄道のおもしろさ、新発見!」をテーマにお客様に鉄道のおもしろさについて知って、学んで、楽しんでいただくために、この秋も様々なイベントを開催します。普段は車内に入ることができない車両の公開や特別展示などを行います。また、芸術の秋にふさわしい音楽に関するイベントも実施します。是非、ご家族やご友人でお誘いあわせの上ご来館ください。

JR東海ニュースリリース:http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000031755.pdf

 

先述のように、今日の新幹線技術に関する礎を作った300X新幹線電車は、その任を解かれたのち、中間車は全車廃車となったものの、カスプ型先頭車である955-1号車が財団法人鉄道総合後術研究所・風洞技術センターに、ラウンドウェッジ型先頭車は、リニア・鉄道館に保存・展示されています。

 

今回のリニア・鉄道館でのイベントは、普段公開していない300Xの車内において、技術開発の概要や成果を、スタッフが解説。国内最高速度となる443km/h達成時の運転台の様子を再現します。

①開催日時:10月5日(水)~11月7日(月)の休館日除く毎日
11:00~、15:30~
(10/8~10/23 の土休日、11/5,6 は15:30~のみ)
②参加方法:館内にて受付(先着順:各回15名程度)
③所要時間:約30分

 

その他、収蔵車両であるオロネ10、オハ35の車内特別公開や乗務員のお仕事についての紹介、普段はいることのできない0系・100系の運転台も公開されるということです。

 

普段のリニア・鉄道館では体験できない特別な催し、ぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

ITEM CATEGORY

ITEM RANKING

SNS