国鉄直流急行型電車の代表格といえば165系電車ですが、計画されていた国鉄の直流急行型には、163系という形式があったことをご存知でしょうか。

163系、、、実は実質153系の増備車という形で「サロ163」が7両製造されましたが、先頭車や電動車の存在しない「ほぼ」幻の形式です。

 

まず、165系電車についてですが、これは先に登場している平坦・温暖区間向けに設計されていた153系をベースに、勾配・寒冷地への配置を目的として、出力増強・耐寒性能強化バージョンで開発された車両です。

ここで混乱してしまうのは、数字的には165系は163系の「後継形式」か「派生形式」ととらえられるはずですが、実際には165系の方が先に登場していて、153系の出力増強バージョンとして計画された163系は、そのあとに登場しているのです。

 

順当に開発されるならば、153系の出力増強型で163系、勾配・寒冷地向けに165系、という流れでしょう。しかし、この当時において既に自動ノッチ戻し機構・抑速ブレーキを搭載した165系が計画されているうえでは、わざわざ機能を削減し平坦・温暖区間向けに別形式を立てて、保守・整備・配置転換でそれぞれ別個に取り扱うには、いかにも非効率的で、現場の反対もあったと言います。

 

そんな中で、153系グリーン車を冷房化する目的で製作されたサロ163は、順当な153系の後継形式と申せますが、前述のように勾配・寒冷地向けとして開発された165系で共通運用できる上は、その必要性が無くなりその後163シリーズとして数を増やすことは無かったのです。

 

現役当時は、抑速ブレーキを搭載する165系の設備と協調できない点が仇となり、すでに登場していた165系と併結運用されることなく、153系や113系に組み込まれて運用、大きな改造を受けることもなく1983年までには廃車の運命をたどっています。

 

ここは想像の域にすぎませんが、もし163系が量産化登場していたとしたら、165系では運用の特性上需要の少なかったパンタなしのモハやサハを挟んで、長大編成を組んでいたかもしれませんね(^O^)

  1. 白い帆 より:

    153系の出力アップ形式の163系が165系として誕生したのは至極当然だという事でしょうね。クモハ165+モハ164のユニットで登場したのですね、クハ163+モハ162+モハ163+サロ163+サロ163+モハ162+モハ163+サハ163+サハ163+モハ162+モハ163+クハ163の急行「東海」も見てみたかった。

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