JR東海の路線上から、国鉄型車両が全廃されて6か月。JR化後に製造された211系・213系・311系・313系など、近郊型電車の主力を務めるのは、すべてJR世代の車両です。

 

と、言いたいところですが、実は有名なお話、JR東海の保有する211系の中には、厳密には分割民営化のおよそ半年前に製造された、いわば国鉄時代に作られた「211系0番台」が4両2編成、合計8両だけ存在するのです。

 

211系。

1985年に登場した、国鉄の直流近郊型電車です。
111・113系・115系の後継に当たる本形式は、ステンレス車体にブラックフェイスの引き締まったいで立ちで、205系通勤型電車に次ぐ、新しい近郊型電車の時代を切り開きました。

東海道本線快速列車増発用として製造された211系0番台は、セミクロスシートの2編成が製造。湘南色が”標準色”ともいえる211系にあっては、”中京色”と呼ばれる青帯に白線の入った独自の地域色で登場、

わずか2年と短い間のカラーリングでしたが、中京地区の快速「シティライナー」として活躍しました。

 

なお、登場時は、先頭車の電気連結器・自動解結装置が非設置であることから、スカートを切り欠く必要がなく、形状は415系1500番台と似通ったものとなり、また色合いもさながら、常磐線の1500番台を連想します。

 

その後、1988年には東京地区と同様の”湘南色”を纏い、電気連結器・自動解結装置を装備、一般的な211系とほとんど区別のない形態で活躍を続けています。

 

 

JR東海ではその後、211系を自社独自仕様としてロングシートの5000番台増備に移行しました。結果、セミクロスシートを装備しているのは、このわずか8両のみです。

見分けるポイントはまさに”座席”。

実際に乗車してみて、セミクロスシートの211系に当たったときは、ラッキーです!

 

それがいわゆる、国鉄時代に製造された国鉄型の211系電車、ということになるのですね。

 

JR移行後に製造された車両たちに囲まれて活躍を続ける、東海の211系0番台。

国鉄型置換のアナウンスが発表されたときには、当然この211系0番台も含まれるものかと思いましたが、長期使用を目的としているであろうATS-PTの設置工事も行われるなど、まだ現役は安泰のようです。

 

隠れレアキャラのごとく活躍中の211系0番台、今現在は東海道本線を離れ、関西本線で活躍中です。

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