仙台地区で使用されている国鉄型車両、455系・457系・717系・417系の置換を目的として、0番台が2006年に登場したE721系は、JR東日本が開発した交流一般型電車です。

 

時を同じくして、2007年3月に開業した仙台空港鉄道仙台空港線との直通運転に投入する車両に、500番台および、仙台空港鉄道SAT721系が製造されました。

 

この際、営業運転開始は0番台が先ですが、車両が落成したのは500番台が最初であり、登場順が逆になっています。

 

E721系電車最大の特徴は、バリアフリーに対応した設計であることが大きく特筆できる部分です。

 

東北地区における駅ホームの高さは、客車列車での運用が比較的末期まで残っていたことから、いまだに「客車用ホーム」と呼ばれる760mmもしくは920mmの低床タイプで、電車の乗り降りにはステップを用いる必要があるなど”バリア”が存在していました。

 

ホームの高さが電車用と同等になれば、首都圏で使用している車両をカスタマイズすることで対応が可能のように思えるものですが、実際に駅プラットホームの高さをかさ上げする工事は、莫大な工期と費用が掛かるため、現実的ではありません。

 

これまでの解決策としては、乗降ドア部分にステップを設けることで段差を解消していましたが、E721系電車においては、床そのものを低くすることでステップを廃止しています。

低床化の実現には、車両全体としての設計を見直し、床下機器の小型化・台車形状の改良・車輪サイズの小型化で床面高さ950mmを実現。ホームとの段差を190mm~30mmまで抑えることで従来形式と比べて障害を減らすことに成功しました。

 

また、客室内においては、701系方式の全ロングシートは採用せず、ボックスタイプのクロスシートとロングシートの””セミクロスシート”構成で、輸送力と居住環境の向上を図っています。

 

先ごろ、秋口に登場した1000番台は、719系0番台の置換を目的とした車両で、中間車2両を挟んだ4両固定編成化で乗車定員が増加したほか、車体帯も赤からさくら色へと変化しています。

いよいよお鉢の回ってきた国鉄型・719系電車の置換えは悲しい部分ですが、これからの時代を担う後継車としてのE721系は、申し分ないでしょう。

 

仙台空港鉄道・青い森鉄道にもベース車両として、導入実績のある同車は、すでに東北地区の”顔”として活躍中です。

 

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