関東鉄道で活躍していた、元国鉄の通勤型気動車キハ30系、キハ100形の2両がこのほど引退することが決定。

 

さよならイベントとして水海道車両基地にてキハ100形の撮影会を実施することとなりました。

 

(関東鉄道ニュースリリースより)

 

≪国鉄の通勤型気動車、キハ35系≫

国鉄が、非電化通勤路線向けに製造したキハ35系気動車は1961年に登場、最初の登場から実に55年の経過する車両です。

 

1960年代においては、通勤旅客需要の拡大しつつあった大都市近郊の路線にあっても、非電化・客車列車による運行により、スピード・列車本数・客室設備等々で非合理的な状態にありました。

 

通勤輸送需要のひっ迫する状況にあった関西本線では、これを改善すべくキハ17・キハ20系列が投入されましたが、これらは片側2扉・クロスシート装備のおよそ通勤・通学輸送には不向きであり、その4年前に登場していた101系電車が通勤通学用として一定の成果を上げていたことから、これの基本構造を踏襲した車両として、キハ35系が開発されました。

 

気動車として初採用である1.3m幅の両開き片側3ドアにオールロングシートを装備し、乗客のスムーズな乗降を実現。

前面行き先表示機の設置や蛍光灯の照明も101系の流れを汲んだものといえます。

 

≪どうして扉が外吊り式なの?≫

この車両の外見上で特筆できることは、この両開きドアが「外吊り」となっている点でしょう。

 

本来ならば、”車両側面”は”扉と面一”になる方がすっきりしていて美しいものですが、わざわざ外吊り式としたのには理由があります。

 

気動車を使用する路線にある駅のホームは、基本的に客車を基準とした低床ホームのため、乗降口にステップが必須となります。

 

キハ35系の場合、戸袋を含む両扉3ドア分の台枠切欠きはそれまでの片開き2ドアと比べて幅が広がってしまうことから、台枠強度を著しく損なうことにつながってしまいました。

 

このため、戸袋を設置せず、外吊りとすることで台枠の切欠き幅に影響を及ぼすことなく扉を設置できるようにしたのです。

 

もっとも冬場には冷気が隙間から漏れ入ってくることから不評を買っていたそうです。

 

 

さて、1961年から1966年の5年間にわたって合計413両の製造されたキハ35系ですが、この後主な活躍の場であった大都市近郊路線は電化が進み、地方に転出。

しかし転出先の路線では、ロングシート、両開き3ドアの装備はローカル輸送に不向きであり、これも急速に淘汰が進んだのです。

 

関東鉄道では、新型の気動車を登場させながらも譲渡以来、長年にわたり運用。

この度の引退に際し、最後の撮影会で”はなむけ”となるようです。

 

(関東鉄道ニュースリリースより:http://kantetsu.co.jp/news/16120701_train.html)

 

 

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