JR九州は、きたる2017年3月のダイヤ改正において、これまで一部列車にのみ投入していた蓄電池電車・BEC819系を増備、若松線の全列車を置き換えると発表しました。

これに伴い、現行のキハ40系列・キハ31形と交代します。

 

JR九州ニュースリリースより

JR九州ニュースリリースより

 

 

≪蓄電池駆動電車BEC819系≫

車両に大容量の蓄電池を搭載し、その電力によって非電化区間においてもモーターを駆動させ運行する、蓄電池駆動電車システム。

 

電池さえ充電されていれば、非電化区間を自力で走行できるため、別のディーゼルカーを用意することなく、蓄電池電車1本で効率的に運行することができるようになります。

電化区間においては、パンタグラフで走行に必要な電力を得ながら同時に蓄電池を充電。非電化区間での走行に備えます。

 

仮に、現行の非電化区間を走行するディーゼルカーを蓄電池電車に置き換えた場合、気動車のエンジンから発生する排気ガスの解消・二酸化炭素、騒音の低減が期待できる上、車両の運用も単純化することのできる、まさに”一石二鳥な”次世代車両と言えます。

 

 

≪非電化区間の救世主、蓄電池方式の電車≫

JR九州の保有する営業路線の内4割は、非電化区間。

 

現在、運行中のディーゼル車両は一部で40年以上が経年し、老朽化している車両も多く、非電化ローカル線自体を維持するにあたって課題となってきている側面があります。JR九州が開発している蓄電池電車・BEC819系は、車両製造費用こそ1両あたり2億3千万円と通常の電車車両よりも1億円割高ですが、それまでのディーゼル車と比較して、ランニングコストは4~5割低減可能。

 

自社保有路線の状況を鑑みるに、コストを抑えつつ非電化路線を維持するためには蓄電池電車の開発は必要不可欠と申せましょう。

 

早速、10月19日から運行を開始した若松線において、本年10月に先行導入された第1編成に引き続き、2017年春のダイヤ改正までに2連6編成、合計12両が追加導入される予定です。

 

全てのディーゼル車を取り換え、蓄電池電車BEC819系に置き換えた際、どれだけのコスト削減になるのか、今後”蓄電池車両”の活躍に期待です。

 

 

≪増備に伴い引退する車両も・・・≫

現在、若松線の主力車両はキハ40・47とキハ30形ですが、BEC819系の導入に伴いお役御免となります。

 

比較的年齢の若いキハ31形は原田線用途として少数が残存、その他が転属すると予測しますが、キハ40・47形については経年車であることから廃車が進むものと思われます。

 

総勢888両が製造されたマンモス形式であるキハ40系列も老朽化に伴い年々数を減らしつつあるため、ぜひ”乗り納め”しておきたい1形式です。

 

 

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  1. ターピー より:

    香椎線へはいつ投入されるのだろうか?

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