2017年末でさようなら。スペースワールド閉園、811系にもあったスペワラッピング車
1990年、旧新日本製鉄八幡製鐵所の遊休地に開業した、福岡県北九州市・八幡東区にあるテーマパーク「スペースワールド」(SPACE WORLD)。
開業から今年で26年。30周年を前に、来年2017年末を以て閉園することが決定しました。
地元に親しまれ、地域の雇用も生んでいたスペースワールドの閉園には戸惑いの声もあるようですが、こと鉄道に関連しては、スペースワールドのPR列車・「スぺースワールド号」が思い起こされます。
ダイヤにも、快速スペースワールド号として用意されたこの専用列車、いったいどのような車両だったのでしょうか。
さて、今日はこのスペースワールドのすぐそば、かつて鹿児島本線を走っていた”811系スペースワールド号”をイラストでご紹介しましょう。
<811系スペースワールド号>
本日のイラストは、第1次と第2次の存在するスペースワールドラッピング列車の内、前者、初代の「スペースワールド号」です。
1996年秋にリニューアルされる前の姿である、水色帯の車両には側面に「SPACE WORLD」のロゴを表示、この頃に設定された快速・スペースワールド号へ重点的に充当され、開園間もないスペースワールドのPR列車として活躍しました。
車内も水色を中心とした化粧板や、背もたれの高いパイロットシートをイメージした紺の座席を用い、一般の811系とは異なる内装です。
1996年には、マスコットキャラクターのステッカー貼り付け、正面部分を赤色へ塗装変更ほか、座席モケットの貼り換えを実施、リニューアルが施され、水色帯のスペースワールド号は消滅しました。
2009年には、一般の811系と同様の前面ホワイトにトリコロールカラーの帯へと更新、車内の装備はそのままに残しつつ通常の運用へと戻っています。
時期にして数年の違いがあるものの、811系には同様のコンセプトを持つ”三井グリーンランド号”もあり、編成の構成や各車の違いに変化の乏しい地味な811系に、”彩”を与えていました。
<スペースワールドへ直結!最寄り駅の設置>
スペースワールド開業から9年目となる1999年、鹿児島本線 枝光~八幡間の経路変更に伴い設置された「スペースワールド駅」は、駅から園まで徒歩5分という好アクセスを実現し、利用客に歓迎を持って迎えられました。
もっとも、スペースワールド駅は、スペースワールドに直結するから、という理由でそのように名付けられたわけではなく、公募による最多得票が「スペースワールド駅」であったために命名されたものであり、本来の役割は当該地区の再開発拠点として設置されたものです。
現在は、普通列車と一部時間帯を除く快速列車・準快速列車ほか、多客期には特急列車も停車しており、2006年以降は最寄りにイオンモール八幡東が開業したことから、利用客数が増加、2013年には一日の平均乗車人員が3,000人台を突破しています。
415系1500番台の帯色にも似た色合いの初代・スペースワールド号。
派手な車両が多いJR九州の車両の中にあって、811系の落ち着いた外観・車内空間は今にしては珍しい部類です。
1989年の登場以来、ひたすら北部九州で走り続けて27年。まだまだ末永い活躍が期待できる、「白いお顔にトリコロールの地味な電車」。
最初期に存在した第1次・スペースワールド号の話題でした。
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