この列車は、かつて、国鉄時代に見られた長距離運転の客車鈍行列車を再現したもので、大井川鐵道線内（千頭～新金谷）を3往復、延べ223.2kmを乗りつぶすというものです。
乗り鉄ファンにはたまらない企画ですね。

機関車が牽く客車列車には、電車や気動車では味わえない「魅力」があります。

いつのまにか、ヌーっとホームから滑るように出発する客車は、機関車牽引ゆえに、「ゴツッ」という連結器の軋み音とともにゆっくりと静かに加速していきます。

モーター音、エンジン音が聞こえない客室は、静かゆえに軽快かつ規則的に聞こえてくるジョイント音が響き渡り、たまに不規則にガタガタンッという音がしたら、「あぁ、いま大きな駅を通過したなー」とか、「線路が分岐したなぁ」とか想像するものです。

客車列車のジョイント音が心地よいと感じるのは、高速でもないけど、ゆっくりでもない、だいたい80km～90kmくらいで走る「あの感じ」ですね(^O^)

ツアーでも実施される、長時間停車も客車列車に見られる名物な光景です。
今回のツアーは申込制で、「乗ることに徹する」のがコンセプト。
ツアーのための、抽選会や派手な車内放送などは行わないそうで、往年の客車列車を楽しめる、素敵な旅となるようです。

客車列車に乗ることだけ、ではなく、客車列車に乗って「往年あの時代、あの時間も共有できる」贅沢な列車旅となりそうです。