九州大学鉄道研究同好会「鉄路30号」コラム記事掲載、第2弾。

 

鉄路30号、”東海道山陽新幹線特集”より本日は、「東海道・山陽新幹線 所要時間の”不思議”」をご紹介しましょう。

 

 

のぞみ号数により到達時間が異なる

 

 

東京~博多を結ぶ”のぞみ”によって所要時間が違うのはご存じだろうか。

 

定期列車で東京・博多間を運行している「のぞみ」の中で所要時間が一番短いのは「のぞみ64号」の4時間47分である。

 

しかしこの「のぞみ」は山陽新幹線内は新大阪、新神戸、岡山、広島、小倉にしか停車しない唯一の「のぞみ」である。

 

それ以外の「のぞみ」は全て、のぞみ64号の停車駅以外にもう一つ山陽新幹線内の駅に停車する。

 

すなわち「のぞみ64号」以外の「のぞみ」の停車駅の数は全て等しいのである。

 

しかし「のぞみ」の東京から博多までの所要時間にはバラつきがある。

 

その理由について考察してみる。ただし定期列車のみとする。

 

 

 

 

時刻表を利用して東京・博多間の所要時間の差がどこで生まれるのかを調べていく過程で、東京・新大阪の区間と新大阪・博多の区間に分けて考えてみると、東京・新大阪間では所要時間に14分のバラつきがあるのに対し、新大阪・博多間では所要時間がほぼ完全に一致していることに気が付いた。

 

以上より「のぞみ」の所要時間の差は東京・新大阪間によってのみ生まれるのである。その理由として考えられるものをまとめてみた。

 

 

ダイヤの過密さの違い

東海道新幹線の運行本数は一日約390本、山陽新幹線は約270本であり約120本もの差がある。

 

よって「こだま」や「ひかり」などの先行列車を追い抜く機会が増えたり、前の列車との距離が少なくなりがちであり、減速することが多くなってしまうのではないか。

 

 

運行する時間帯の違い

東京を6時に出発し早朝に東海道新幹線区間を運行する「のぞみ1号」は新大阪までの所要時間が2時間22分で最速である。

 

これは早朝のため、追い抜く先行列車が少ないことが考えられる。

 

このように早朝や深夜などの時間帯の「のぞみ」の所要時間が短い傾向があり、この時間帯の運行する列車の少なさに影響されるのではないか。

 

(九州大学鉄道研究同好会:鉄路30号より)

 

 

九州大学鉄道研究同好会発行”鉄路”

今回執筆した同好会メンバーが、東海道・山陽新幹線沿線を地元としており地元への帰郷等新幹線を利用することが多いために本題を選んだのだそうです。

 

本誌の内容は東海道山陽新幹線の歴史から、車両(同系列でも編成ごと詳細に異なる内装やディテール、所属会社による仕様の違いを詳細)、駅、競合交通機関に関することなど報じられており、そのマニアックさはファン垂涎。

 

Mr.DIMERでは数回にわたり、コラム記事・特集記事を紹介しております。

 

なお、本誌につきましては当サイトでも販売いたしておりますので、ご興味がありましたら是非お求めください。

(九州大学鉄道研究同好会)

 

 

書籍の販売

九州大学鉄道研究同好会「鉄路」第30号

700円(税抜)

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