最後の1両…DD16が登板!小海線”旧型客車八ヶ岳号”運行!
去る7月30日(土)、小海線中込-小淵沢間で旧型客車3両+DD16の4両編成”旧型客車八ヶ岳号”が運行されました。
牽引は長野総合車両センター所属のDD16 11号機が担当。往路のみヘッドマークが掲出されたそうです。
茶色(もとい、ぶどう色)の旧型客車に、オレンジのディーゼル機関車。一昔前、ブルーの客車や郵便車を挟んでローカル線をゆったりと走る普通客車列車が良く見られたものです。
今回運転された”旧型客車八ヶ岳号”牽引役のDD16ディーゼル機関車は1971年、ローカル線入線用に導入された小型・軽量のディーゼル機関車です。線路規格の低い簡易的なローカル線で運用されていた小型蒸気機関車を置き換え、無煙化を推進する目的で開発、少数ながらも65両が製造されました。
外見は、一瞬DE10と見紛う風貌のセミセンターキャブですが、よくよく観察してみるとDE10よりもずいぶんと小柄です。
DE10の動軸数5軸に対してDD16は4軸で、馬力数がDE10が1,250ps、DD16が800psということを鑑みると、いかに出力、形体と主にコンパクトな設計で造られたかということが読み取れます。
DD16は先に登場しているDD51と深い関係があります。搭載されているエンジンは、DD51に使用されていた初期不調の発生したエンジンを再活用。1000psから800psに出力を落とし、安定して出せる性能に落ち着かせたことでトラブルが発生しづらく、現場では重宝されたそうです。
もっとも、DD16開発時に専用に作られた部品が少なく、実績のあるDD51、DE10、DD13形と共通の部品を多用していることから、保守メンテナンスが簡素化できた、故障率を抑えることができたといえるでしょう。
今回は”旧型客車八ヶ岳号”として客車列車を牽引していますが、DD16はもともと客車けん引を念頭に置いていない設計の為、蒸気発生装置(SG)が搭載されていません。
現役当時はもっぱらローカル貨物列車の牽引や構内入替用として活躍しましたが、貨物取り扱いの廃止、構内入替用に際しても既にDE10やDE11などの機関車が存在していたことなどから急速に活躍の場を失っていき、JRへの継承はほんの少数にとどまりました。
現在は、JR東日本長野総合車両センターに所属する11号機のみが存在しています。
そういう不運な人生を歩んできたDD16形ディーゼル機関車ですが、今回小海線でのイベント列車牽引を担当し数少ない花形運用を担いました。往路と復路でヘッドマークの有無があったのは、往年の客車列車をイメージするためにわざと外したのかな。と想像してしまいました。
常に縁の下の力持ち的存在で活躍してきたDD16。
かわいらしい小柄な車体ですが、地方ローカル線の無煙化に大きく貢献した1形式です。
これからも少しでも長い活躍を期待します(^O^)
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