国鉄最後の新系列車両・213系電車(国鉄民営化30周年を振り返る)
213系電車。首都圏や中部地区において、現在も活躍を続ける姉妹形式である211系電車が有名なばかりに、2ドアの213系はなかなかにマイナーな車両だといえましょう。
国鉄分割民営化前夜となる1987年に登場、1991年まで製造が続けられました。
岡山地区向けに製造された0番台と、その後、分割民営化を経たJR東海が製造した関西本線・名古屋地区向けの5000番台は国鉄型のJR生まれです。
車両は、片側2か所の両開きドアに転換クロスシートを装備する117系の設備に準じたもので、211系同等のステンレス車体にブラックフェイスのFRP前面マスクは211系との折衷的な構成となりました。
先代の車両で言うなれば、かつて広島快速のエースであった、115系3000番台と似ています。
0番台は花形運用へ
1987年より岡山地区で運用を開始した0番台の213系は、翌88年に開通する瀬戸大橋開業以降、快速「マリンライナー」に充当。
JR西日本唯一の211系(※後に登場したC13編成はクモロ・モロともに211系)である、クロ212形を連結しグリーン車付きの快速列車で華々しく活躍しました。
2003年10月のダイヤ改正を以て、JR西日本・223系電車をベースとしたJR四国・5000系及び223系5000番台へと置き換えられて以降は、クロ212形を外し、一部先頭車化改造の上、2両編成と3両編成に組成され、2両編成のすべてと一部の3両編成にワンマン対応改造を施され運用に就いています。
先頭車化改造工事を施されたクハ212-100番台は、角ばった先頭形状に加え、帯の端部処理変更、白塗装が乗務員室後方まで伸びているのが特徴で、先頭車側乗降扉付近のシートと窓を撤去しトイレを設置しているのも外見上の特異な点と申せましょうか。
東海所属の5000番台
関西本線で活躍していた急行型電車・165系の老朽化取り換えと輸送改善を行うためにJR東海が導入した213系5000番台。
国鉄最後の新系列とはいえ、製造が開始されたのはJR東海発足後のことですから、国鉄型のJR生まれと言うことになります。
213系を名乗りつつも、JR東海独自の番台である5000番台を基準とした造りで、スカートの形状は213系オリジナルのそれとは異なり、211系5000番台のスカートを履くことで、より東海の211系的性格を持ち合わせています。
JR東海は、車両の置換サイクルが早いために、国鉄最後の新型車両とはいえ、最古参の211系に次ぐ2番目に古い車両となっています。
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