日本国有鉄道における直流近郊型電車の決定版、113系。

 

温暖な地域の平坦地を主な活躍路線として登場し、北海道・四国・九州地区を除く本州で活躍。

 

JR化後は、JR四国にも転籍しJR北海道/JR九州以外の地域で運用を続けていましたが、JR東海からは2007年、JR東日本からは2011年に姿を消しました。

 

ほとんど同時期に登場した115系電車と比較すると引退が早かったように思いますが、まさに113系は比較的主要路線で使用されていたために、後継形式への置き換えが到来するのが早く、一方で115系電車は地方路線や山岳路線などを主な活躍路線とするために、後継形式の投入が遅かったために生じた”差”でしょう。

 

 

111系の出力強化タイプ113系

1962年、直流電化区間向けに登場した片側両開き3ドアスタイルの近郊型電車111系に続き、出力を増強させて登場したのが113系電車です。

 

1963年の登場で、のち1982年にかけて総数2,943両が製造されました。

 

登場時の塗装は、緑とオレンジの塗り分けによる”湘南色”。

 

のちに地方線区への転出でさまざまの地域塗装へと改められましたが、本来113系のいわゆる標準色と呼べるカラーは、湘南色と横須賀線投入時に誤乗車を防ぐために登場したスカ色と申せましょう。

 

金太郎塗りが懐かしい

2017年、国鉄が分割民営化し30年が経ちました。

 

国鉄形とはいえ、最終年に登場した車両でも30年が経過したことになります。

 

後継形式が続々と登場する中引退する車両も増加の一途をたどります。

 

それゆえ、近年では、鉄道ファンの中において国鉄形車両が注目され、さらにJR各社においても復刻塗装や復刻列車が運転されるなど、話題の的となっています。

 

こういった中、113系の姉妹形式である国鉄近郊型車両115系電車は、最近、JR西日本での湘南色編成2本が残留したり、しなの鉄道では湘南色とスカ色が復活しています。

 

115系電車が注目されるのはうれしいことですが、一方で113系が、復刻塗装の的となることはほとんどなく、115系の注目度と比べると地味な存在です。

 

113系と115系は大変良く似ていますが、用途や装備の違いのほかに一番の大きな違いといえば、湘南色とスカ色における前面塗り分け処理の違いでしょう。

 

115系は、正面の塗り分けが貫通扉直前で直角に切れるのに対し、113系の塗り分けは、金太郎塗りと呼ばれる斜めの塗り分けです。

 

いわば、113系が湘南色を復刻しない限り、”金太郎塗り”の車両は見られない、ということになるのです。

 

登場から30年以上の経過する113系・115系とはいえ、堅牢な設計が幸いしたのか地方路線で重宝され続ける両形式。

 

とはいえ、先の長くない形式であることを鑑み、113系も復活塗装を期待したいところです。

 

 

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