JR九州初の近郊形式811系、リニューアル・運行開始(JR九州)
JR九州は、同社発足後初となる新形式811系について、登場からおよそ30年が経過することから、これを新たにリニューアルし、4月27日より運行を開始しました。
車両のリニューアルデザインは、JR九州の数多くの車両デザインを手掛けておられる水戸岡鋭治さんが担当されました。
新しくなった811系は外装の一新ほか、内装においてそれまでのクロスシートのロングシート化、制御装置を最新式のVVVFインバータ制御方式へと変更しています。
(JR九州ニュースリリースより)
811系リニューアル概要
「Old is New~伝統と革新の電車~」
○外観:車体側面のラインをフレッシュな青に変更し、最新機器を導入した新しい車両であることを表現。
○内観:九州の伝統的な織物をイメージしたシートの柄とし、九州の伝統を表現。
リニューアルの主なポイント
・外装について
⇒車体側面の帯色を、それまでのトリコロール風の特徴的なデザインからブルーを基調とした帯色へと変更。
同時に車体表記も同様のカラーとすることで統一性を持たせました。
・内装について
⇒クロスシートをロングシートへと変更。柄は九州の伝統的な織物調としました。
⇒車内の照明をLED化し環境負荷を低減。
・制御装置
⇒電動機、制御装置類を一新し、エネルギー効率の良いSiCハイブリッドモジュールを採用したVVVFインバータ制御方式へと変更。
運行について
・運行開始日
平成29年4月27日~
・運行区間
鹿児島本線 門司港~荒尾
長崎本線 鳥栖~肥前山口
日豊本線 小倉~宇佐
※運行区間は車両の運用により変更があります。
今後、ほかの811系電車についても順次リニューアルを実施します。
JR九州初の811系電車
811系。
1989年からJR九州が製造、421系近郊型電車の置き換えを目的として制作された車両です。
ステンレス車体にホワイトのマスク、現在の九州を走るほかの車両に比べると落ち着いた印象を持つ、まさに国鉄~JR過渡期の車両”らしい”、記念すべきJR九州初の近郊型電車として誕生しました。
これまでの国鉄車両のイメージを一新し、一般形にもかかわらず、明るい車内、スマートな内装、転換クロスシートを装備した車内は「新しい電車」の息吹を感じさせました。
車体は、国鉄近郊形式である415系1500番台をベースとしているので、同系列の大元となる211系等に通ずる形状と申せましょう。
導入当初、臨時急行「ひのくに」にも充てられた実績を持つ同車ですが、急行型形式でない811系の充当は”遜色急行”と揶揄されたものです。
ただ、言い換えてみれば、新車であること、転換クロスシートを装備している点から鑑みるに、すでに当時設備の陳腐化、老朽化が進んでいた国鉄急行型電車と比較すれば、案外、”乗り得列車”と評しても悪くはなかったのではないか、とも思えます。
そういう811系、増発用にマイナーチェンジした100番台と、トイレ設置車として制作された200番台のサハがバリエーションとして存在します。
外観上は、0番台と変わりがないため、シリーズ総じてあまり変化のない車両とも言えるのですが、過去には、スペースワールド号や三井グリーンランド号、門司港レトロ号のラッピングが施される種車として活躍するなど、話題を集める車両でした。
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